浮気の時効

浮気の時効とその影響:訴訟や慰謝料請求の期限

浮気の時効とは

浮気の慰謝料請求には時効があります。慰謝料請求の権利があっても、時効を迎えたあとで相手が時効を援用(主張)すると、慰謝料を請求できなくなってしまいます。

時効の期間は、浮気を知ってから3年間と長くはないため、慰謝料を請求するのなら早めに行動すべきです。

ここでは、浮気の慰謝料請求の発生根拠と時効について解説します。

浮気の慰謝料請求の根拠

浮気の慰謝料請求は、配偶者の不貞行為という貞操義務違反による精神的苦痛を慰謝するために認められるものです。

法律上の根拠は、不法行為に基づく損害賠償請求となります(民法709条)。

浮気の慰謝料請求が認められるには、不貞行為=肉体関係があったことが前提となります。

どこからが「浮気」なのか議論されることもありますが、法律上は肉体関係がなければ慰謝料は請求できません

キスやハグでは慰謝料は発生せず、婚姻関係にないカップルの「浮気」でも慰謝料は発生しません。

浮気の慰謝料請求の時効

浮気の慰謝料請求の時効は、配偶者の浮気と浮気相手を知ってから3年です(民法724条1号)。

浮気と浮気相手を知らないときでも、浮気のときから20年経過したときは慰謝料の請求はできなくなります(同条2号)。

たとえば、配偶者の浮気から2年後に浮気相手が判明したときは、その時点から時効が進行します。つまり、時効が成立するのは浮気から5年後(2年+ 3年)です。

浮気の発覚が浮気から20年以上経ってからの場合、慰謝料の請求はできません。

(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)第724条 不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。
引用:民法|e-Gov法令検索

浮気が原因で離婚した場合の時効

浮気の慰謝料が問題となるのは、浮気そのものに対する慰謝料だけではありません。浮気が原因で夫婦関係が悪化して離婚に至ったときには、離婚の精神的苦痛に対する慰謝料も発生します。

離婚の慰謝料の時効は、離婚が成立した日から3年です。配偶者の浮気と浮気相手を知ってから3年が経過していても、離婚から3年以内であれば離婚の慰謝料は請求できます。

ただし、離婚の慰謝料を請求できるのは配偶者だけで、浮気相手には請求できません。

浮気の時効を止める方法

浮気の時効は3年ですが、次の3つの方法で時効を止めることができます。

  • 催告(民法150条)
  • 協議の合意(民法151条)
  • 裁判上の請求(民法147条)

催告とは、裁判外で慰謝料の支払いを請求することです。催告をしたときは、催告のときから6か月を経過するまで時効の完成が猶予されます。

たとえば、浮気を知ってから2年10か月後に催告したときには、3年4か月を経過するまで時効の完成が猶予されます。

催告は口頭ですることも可能です。ただし、催告の証拠を残しておくためには内容証明郵便を利用すべきでしょう。

協議の合意とは、時効の完成を猶予するために書面で協議を行う旨の合意をすることを言います。協議の合意は、近年の改正で創設された制度ですが、実際に利用されるケースはほとんどありません。

(協議を行う旨の合意による時効の完成猶予)第151条 権利についての協議を行う旨の合意が書面でされたときは、次に掲げる時のいずれか早い時までの間は、時効は、完成しない。一 その合意があった時から一年を経過した時二 その合意において当事者が協議を行う期間(一年に満たないものに限る。)を定めたときは、その期間を経過した時三 当事者の一方から相手方に対して協議の続行を拒絶する旨の通知が書面でされたときは、その通知の時から六箇月を経過した時
引用:民法|e-Gov法令検索

裁判上の請求とは、訴訟の提起により慰謝料を請求することです。訴訟を提起すると、判決が出るまでは時効が完成しません。慰謝料の支払いを命じる判決が出たときは、そこから10年の時効が進行します。

なお、時効を止められるのは、3年の時効だけです。20年の時効については除斥期間とされており、時効を止めることはできません。

除斥期間については、慰謝料の請求を受けた人が除斥期間(時効)の主張をしないときでも、慰謝料請求はできなくなります。

浮気の時効についてよくある質問

ここでは、浮気の時効についてよくある質問に回答します。

浮気の時効は何年ですか?

浮気の時効は、配偶者の浮気と浮気相手を知ってから3年です。ただし、浮気を知らなくても浮気から20年経つと慰謝料は請求できなくなります。

浮気が原因で離婚したときには、離婚の慰謝料を請求できます。離婚の慰謝料の時効は、離婚の日から3年です。離婚の慰謝料は、浮気相手には請求できません。

10年前の浮気を訴えることはできますか?

10年前の浮気でも、浮気の事実と浮気相手を知ってから3年以内であれば時効は成立していません。

3年の時効が始まるのは、配偶者の浮気と浮気相手を知ってからです。浮気が10年前でも、浮気と浮気相手を知らなければ、時効は進みません。

20年前の浮気の慰謝料は請求できますか?

20年前の浮気については、20年の除斥期間が経過しています。そのため、浮気そのものの慰謝料は請求できません。

ただし、20年前の浮気を理由に離婚した場合には、離婚のときから3年以内は慰謝料を請求できます。

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