はじめに
人探し調査は、失踪したり、連絡が取れなくなったりした方を見つけるために行われる専門的な調査のことです。
長年、日本の行方不明者の状況は横ばい傾向にあり、容易には改善できない状況と言えます。そんな人探し調査を、探偵はどのようにして行うのでしょうか。
今回は、探偵の人探し調査について具体的に解説していきます。
人探し調査とは
人探し調査とは、特定の人物の現在の居場所や安全を確認するための調査です。
行方不明者の捜索、昔の友人や離れてしまった家族との再会、借金の回収など、様々な理由で人探し調査が依頼されます。
事件性がある場合は、警察が捜査に乗り出すものの、それ以外のケースでは警察が人探し調査に積極的になることはほとんどありません。
一方で、探偵による人探し調査に事件性の有無は関係ないため、目的や事情次第では有効活用できるでしょう。
日本の行方不明者の状況
それでは、直近の日本における行方不明者の状況についても見てみましょう。
令和4年は、統計の残る昭和31年以降で最少を記録した令和2年から2
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/fumei/R04yukuefumeisha.pdf
年連続で増加し、8万4,910人(前年比5,692人増加)となった。
警察庁のデータによると、令和2年の行方不明者の総数は、統計を開始した昭和31年以降で最小となる77,022人となった。しかし、令和3年以降は2年連続で増加し、令和4年の行方不明者の総数は、84,910人と増加することになった。
平成に入ってからのデータを見ても、ピーク時は10万人を超える総数ではあったものの、平均すると9〜8万人前後となっていて、令和4年においてもその状況に大きな変化はないと言えます。
人探しに有効な情報
人探し調査に有効な情報は、主に以下の情報となります。
- 氏名
- 年齢
- 性別
- 写真
- 住所
- 勤務先(学校)
- 最後に確認された場所
- SNSアカウント
- 交友関係
情報は多ければ多いほど対象者を見つけられる可能性が高くなります。探偵に調査依頼する際は、対象者に繋がるどんな小さな情報でも提供するに越したことはありません。
名前がわからなくても調査依頼は可能?
結論から言えば、名前がわからなくても調査依頼は可能です。
探偵というのは、「ストーカー行為を助長する人探し」や、「その他、違法行為や犯罪行為に結びつく可能性がある人探し」についての調査依頼は、一切引き受けることができません。
言い換えれば、名前がわからない場合であっても、上記の抵触事項に引っ掛からないのであれば、いかなる調査も引き受けることが可能というわけです。
ただし、情報が少ないということは、それだけ調査難易度が上がることになります。名前がわからないからといって諦める必要はありませんが、調査期間が長引けば、費用は高額になる恐れがあります。
また、必ず成功する保証もないため、依頼を検討する際は注意しましょう。
人探し調査の具体的な方法
では、実際に探偵はどのような方法で人探し調査を行うのでしょうか。具体的な方法についても解説していきます。
対象者の基本情報の確認
人探し調査の際は、対象者の基本情報の確認は非常に重要です。氏名や年齢、性別、住所といった情報だけでなく、対象者の私物や室内の状況についても確認を行います。
対象者の私物や室内の状況を確認できれば、家出が意図的か、そうでないかの判断が容易となります。
また、事件性の有無も判断可能です。事件性がある場合、警察に捜索願を出すことで、より見つかる可能性を高めることができます。
対象者のSNSなどを確認
昨今の人探し調査において、SNSをはじめとしたインターネット上の情報は非常に有効です。
対象者のSNSアカウントを確認できれば、主な活動場所や交友関係などを把握することができます。対象者が写真をアップしていれば、背景などからも多くの情報が入手可能です。
また、対象者のスマートフォンやパソコンが手元にあれば、直前までやり取りしていた情報を入手できる可能性もあり、発見の確率を大幅に高めることが可能です。
聞き込み・張り込み調査
対象者のゆかりの地や、直近の行動範囲が絞れている場合、聞き込み・張り込み調査が有効となります。
たとえば、対象者がよく足を運んでいる飲食店がわかれば、張り込み調査によって対象者の発見だけでなく、自宅まで特定できる場合があります。
また、対象者の知人・友人が判明していれば、聞き込み調査によって対象者の現在の状況を確認できる場合もあります。
聞き込み・張り込み調査は地道ではあるものの、探偵ならではの調査と言えるでしょう。
探偵業者独自の情報ソース
探偵業者には、それぞれ独自の情報ソースがあります。詳細については、探偵業者にとってノウハウの1つであるため、外部へ漏れることはないでしょう。
しかし、対象者発見につながる可能性を高めてくれるため、探偵に依頼する価値は十分あると言えます。
探偵に人探しを依頼する際の料金相場
探偵に人探しを依頼すると料金がいくらになるのか、気になっている方も多いでしょう。
結論から言えば、10〜100万円以上と幅広く設定されているのが実情です。というのも、人探しは調査前に判明している情報次第で難易度に大きな差が出てきます。
難易度が低ければ10万円程度で済むものの、名前もわからない、生年月日もわからないとなってくると、100万円以上になってしまうケースもあります。
探偵に人探しを依頼する際は、可能な限り情報を集めることが費用を抑えるコツです。
なお、探偵事務所に1日だけ調査依頼する場合は、10〜20万円ほどが一般的な相場となります。
ただし、1日だけの依頼は割高になるケースが多く、人探しが長期に及びそうな場合は、あらかじめ探偵事務所が提供している割引プランなどを活用するのが良いでしょう。
そして、依頼する際は、複数事務所に見積もりを出してもらう「相見積もり」を有効活用しましょう。
人探しは自力でも可能か?
人探しの調査の具体的な方法を見て、自力でも可能では?と感じた方も多いでしょう。
特に費用面が気になる方は、自力での調査を希望される方が多いのも現実です。
結論から言えば、自力で調査することも十分可能となっています。
しかし、人探し調査は地道な作業も多く、手間や時間だけでなく体力の負担も大きいため、一般の方が行うのは簡単ではません。
どうしても見つからない場合は、やはり調査のプロである探偵への依頼を検討するのがおすすめです。