まとめ
- 探偵は探偵業法によって定められている範囲内で調査のために情報を収集できる。
- 探偵が収集できる情報
- 名前
- 住所
- 生年月日
- 電話番号
- 勤務先
- 家族構成
- 離婚歴
- 趣味
- 宗教の有無
- 借金状況
- 探偵が情報を収集できないケース
- 社会的に差別の原因になる恐れがある場合
- ストーカー規制法のつきまとい等、その他違法な目的である場合
- 配偶者暴力防止法に該当する被害者の所在や調査目的である場合
はじめに
「探偵はどこまで調べてくれるのだろう?」
探偵に依頼を検討する際、こんな疑問を持つ方が多いのではないでしょうか。
実はどれだけ優秀な探偵であっても、なんでも調べてくれるわけではありません。探偵には調査できる範囲が定められているのです。
そこで今回は、探偵に調査を依頼する際、必ず知っておきたい探偵の調査範囲について詳しく解説していきます。
探偵が調査で得られる個人情報
探偵が合法的に得られる個人情報には、以下のような情報があります。
- 名前
- 住所
- 生年月日
- 電話番号
- 勤務先
- 家族構成
- 離婚歴
- 趣味
- 宗教の有無
- 借金状況
探偵でも調べられない個人情報
探偵でも調べられない個人情報には、依頼人による利用目的が関係しています。
具体的には、以下のいずれかに該当する場合、対象者の個人情報を取り扱うことは認められていません。
- 社会的に差別の原因になる恐れがある場合
- ストーカー規制法のつきまとい等、その他違法な目的である場合
- 配偶者暴力防止法に該当する被害者の所在や調査目的である場合
調査で得た個人情報は厳重に管理せねばならない
探偵が調査で得られる個人情報は数多くありますが、厳重に管理する責任も同時に発生しています。
これは調査対象者についてだけでなく、依頼者の個人情報についても同様です。
情報漏洩は深刻な問題を引き起こす可能性があるため、探偵同士による個人情報の交換・売買というのも認められてはいません。
探偵に調査を依頼できる範囲
探偵が行う調査範囲は、「探偵業法」という法律によって定められ、取り扱いについては「個人情報保護法」によって定められています。
これらの法律に則っていない調査や情報の取り扱いは、基本的には違法調査に該当します。そして違法調査によって入手した証拠は、裁判などで認められないばかりか、相手から訴えられる危険性もあるため注意が必要です。
これらの点を踏まえながら、実際に探偵がよく行っている4つの調査について具体的な事例を交えつつ、調査を依頼できる範囲について紹介します。
- 浮気・不倫調査
- 結婚調査
- 素行調査
- 所在調査
浮気・不倫調査
パートナーの浮気が疑われる場合、自分で証拠を掴むのは簡単なことではありません。
もし、パートナーや浮気相手に調査がバレてしまえば、証拠を掴むのはさらに困難となり、最終的に言い逃れされる可能性も出てきます。
この可能性を低くするには、探偵に浮気調査を依頼するのが有効です。プロに調査を依頼することで、自己調査によってバレるリスクを最大限抑えることができます。
探偵による浮気調査であれば、パートナーの行動、浮気相手との関係性、会っている時間帯や場所といった具体的な情報を、写真や動画で残すことが可能です。
浮気・不倫調査の事例
依頼人は結婚8年目の専業主婦で、数年前に息子が生まれた後に仕事を辞めました。
夫は大手企業に勤務し、家庭は安定していたが、最近になって夫から離婚を切り出された。依頼人はその理由が理解できず、夫の浮気を疑い、探偵事務所に調査を依頼しました。
1週間の尾行調査により、夫は平日遅い時間まで勤務し、週末は家族と過ごしていたが、日曜日に都内で女性と接触し、その女性とマンションに入る姿を確認。手をつないでいる様子やキスをしている様子も目撃された。その女性は夫の同僚であることも判明しました。
結婚調査
結婚は人生の大きな決断です。結婚後に後悔しないためにも、相手を前もって知っておきたいと感じるのも無理はありません。
また、子どもが連れてきた結婚相手がどのような人物なのか、気になってしまう親御さんは多いのではないでしょうか。
探偵による結婚前調査であれば、相手の家族構成、浮気や婚姻歴の有無、友人・知人関係、ギャンブル癖、反社会勢力との関わりなど、知っておきたい情報の調査が可能です。
結婚調査の事例
依頼人は、娘が遠距離恋愛中の6歳年上の男性と結婚すると知り、結婚前調査を依頼しました。
娘は一部上場企業に勤めるほど優秀で、結婚後は同棲を予定していた。依頼人夫婦は娘の結婚に反対しましたが、娘は頑固で親の反対を受け入れてはくれません。
調査によると、相手男性は経済的に困難な状況にあることがわかった。男性宅には債権回収会社の訪問もあり、数百万円の借金があることも判明。これにより、結婚後、娘が相手男性の経済的負担を背負うリスクがあることが明らかになりました。
素行調査
会社を経営する方にとって、社員の勤務実態や採用予定者の私生活や普段の行いを知りたいと感じるのは無理もありません。
また、年頃の子どもが急にブランド品を身に着けだし、いわゆる「パパ活」を行っているのではないかと、心配になる親御さんも多いのではないでしょうか。
探偵による素行調査であれば、尾行や張り込みによって、対象者の素行を知ることが可能となります。対象者の日頃の行動、交友関係などを調べ、写真や動画を用いて報告書を作成します。
素行調査の事例
依頼者の会社は、3年前にサービス責任者として、とある女性社員を採用しました。しかし、採用後はトラブルが続出。女性社員からのパワハラを理由に退職する社員も多いです。
そんな中、女性社員は会社に対し、うつ病と過重労働による損害賠償請求を行ってきた。会社は顧問弁護士から、会社側が不利になる可能性を指摘され、やむなく素行調査を依頼しました。
1カ月の調査期間中、女性社員の行動を確認。女性社員は仕事後に友人と食事をしたり、マッサージに通ったりなど、充実したプライベートを過ごしていました。
また、次の転職先と思われる会社にも出入りしていた。過労によるうつ病の訴えと矛盾する行動が確認されたのです。
所在調査
子どものころ、母と離婚してしまった父に会いたいという依頼があります。
家族や身内の現在住んでいるところを知りたい、失踪した友人・知人に会いたいなど、人を探したいこともあります。
事件性があれば警察の力も借りられますが、私情である限り警察が動いてくれることはありません。
探偵による所在調査であれば、聞き込みや張り込み、インターネット上の情報収集、失踪当時の現地調査など、連絡の取りたい相手を探すことが可能です。
所在調査の事例
依頼者の娘は高校を卒業後、飲料水メーカーへ就職。
内気な性格で職場でのトラブルはなかったのだが、就職から1年もしないうちに無断欠勤し、行方不明になってしまう。心配した両親は警察に相談しました。
しかし、積極的に動いてくれる様子がなかったため、探偵事務所に所在調査を依頼しました。
調査によると、彼女は都内の繁華街へ頻繁に出かけていて、キャバクラや風俗で働く友人と親交を深めては、ホストクラブに出入りしていました。
ホストクラブには数十万円の売掛金があるようで、現在はガールズバーで働いていることも判明しました。