要約
- 一般的には、調査費用、移動費用、機材費用、報告書作成費用などです。
- しかし、完璧にサービスの料金の内訳を把握することは困難であり、無意味です。
- 肝心なことは、あらゆる場合において、サービスの料金がどの程度かかるのかを、探偵業者との契約前にすり合わせておくことです。
はじめに
冒頭で本末転倒なことを書いてしまいました。しかし、この記事を読むと私の伝えたいことが理解できると思います。
ぜひ、お付き合いください。
探偵の業務内容
まずは、探偵業者のサービスにかかる費用を理解するために、探偵業者の業務内容を把握しましょう。
探偵業務の定義
第二条 この法律において「探偵業務」とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務をいう
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=418AC1000000060_20191214_501AC0000000037
これは、探偵業の業務の適正化に関する法律です。固い文章を少し噛み砕いて整理すると、探偵の業務内容は下記になります。
- 依頼を受けます。
- ある人物の居場所、行動など、依頼者が望む情報を集めます。
- 情報収集の方法は、聞き込み、尾行、張り込みなど様々です。
- 依頼者に調査の結果を報告します。
では、この業務を遂行するために、どんな費用が必要になるでしょうか?
契約書に明記される費用
探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結しようとするときは、事前に書面を交付して説明しなければならない義務があります。いわゆる契約書ですね。
探偵のサービスにかかる費用は、契約書に明記される費用と、明記されない費用があります。
このセクションでは、契約書に明記される費用を記載します。
調査員の人件費
一つ目に、調査員の人件費がかかります。依頼者が望む情報を集めるために、あらゆる方法を駆使して調査する人が必要ですね。
探偵業務の定義に明記されている、聞き込み、尾行、張り込み以外にも、時代に合わせて、SNS上での情報収集なども行います。
契約書では、「基本調査料金」という項目に含まれていることが多いです。
調査員の移動費
二つ目に、調査員の移動費がかかります。現代においても、情報収集の主な手段は尾行です。調査対象者を尾行するために、費用がかかります。
国内で調査対象者を尾行するのに、車、電車、飛行機などが想像できますね。営業所から遠くの場所での調査で、2日以上かかる場合は、宿泊費も含まれます。
契約書では、「車両費」という項目に含まれていることが多いです。
調査で扱う機材費
三つ目に、調査で扱う機材費がかかる場合があります。
「かかる場合があります」と書いたのは、調査員の人件費、移動費とは違い、この費用は必ず発生するとは限らないからです。
調査対象者を尾行する上で重要なことは何でしょうか?
答えは単純で、下記の二つだけです。
- 調査対象者にバレない
- 知りたい情報を入手する
尾行を完遂するために、特殊な撮影機材が必要な場合があります。容易に想像できるのは、下記のような機材でしょうか。
- 遠くからでも調査対象者の顔を鮮明に写すことができる望遠レンズ
- 調査対象者の近くからでも撮影していることに気付かれにくい小型カメラ
調査によっては、このような機材が必要になるため、機材費がかかる訳です。契約書では、「機材費」という項目に含まれていることが多いです。
報告書作成費
最後に、報告書作成費がかかる場合があります。こちらも、必ず発生する費用ではありません。
探偵業務の定義の4つ目にあるように、探偵業者は依頼者に調査結果を報告する必要があります。この際、依頼者が報告書の作成を希望した場合に、報告書作成費がかかります。
代表的な例としては、浮気、不倫調査の後に、慰謝料請求のための裁判で必要になるので、報告書作成を希望する場合などです。
契約書では、「報告書作成費」という項目に含まれていることが多いです。
探偵業務にかかる費用はこれだけなのか?
ここまで、探偵業務の法律に明記されている文章をもとに、一般的な探偵業務の費用の内訳をまとめました。では、探偵業務にかかる費用はこれだけでしょうか?
もちろん、Noです。
様々な業界がそうであるように、探偵業者によって、探偵業務のために様々な費用がかかっています。
ここからは、探偵業界に詳しい私が、契約書に明記されない費用をまとめます。
契約書に明記されない費用
調査以外の人件費
まずは、想像しやすい費用として、調査員以外の人件費が挙げられます。現代の探偵業務に必要な役割は、下記の3つに分けられます。
- お問い合わせの対応をする役割
- 依頼者と相談して契約を結ぶ役割
- 調査をする役割
上記の業務を何人で分担するかによって、調査員以外の人件費が発生するかどうかが決まります。法人の探偵業者は、3つの役割それぞれを担当する人がいることが多いです。
よって、調査員以外に、コールセンターのスタッフ、カウンセラーの人件費がかかる訳です。
家賃
次に、家賃が挙げられます。探偵業者は、営業所を持つ必要があり、営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会に届け出を提出しなければなりません。
探偵業者によっては、この営業所に家賃がかかります。どの探偵業者も、最低一つの営業所がある訳ですが、探偵業者によっては、他にも複数の営業所を運営している場合があります。
一般的に、主たる営業所以外の営業所を「支店」と呼びます。支店を運営している探偵業者は、法人の場合が多いです。
詳細は下記の記事に書いています。
集客費
次に、集客費が挙げられます。探偵業務で商売を繁盛させるためには、集客に力を入れる必要があります。
現代は、インターネットが普及して、スマホ普及率も高いので、様々な集客方法が考えられます。
テレビ、ラジオ、雑誌、新聞、チラシなど昔からある媒体を利用している探偵業者もあれば、Google 広告、SNS集客など時代に合わせた集客を行なっている探偵業者もあります。
他にも、検索結果に上位表示されている探偵メディアがお問い合わせを受け付けて、探偵業者が探偵メディアにお金を支払って、依頼者を紹介してもらう形式などもあります。
探偵業者とのすり合わせが一番大切
ここまで、契約書に明記される費用と契約書に明記されない費用の内訳をまとめました。
契約書に明記されない費用は代表的なものを挙げましたが、これらは探偵業者によって異なります。そして、依頼者に全ての内訳を開示してくれるかも定かではないです。
よって、結論に書いたように、探偵業務にかかる費用の内訳を完璧に把握することは困難でしょう。
なので、依頼者にとって必要なことは、費用の内訳を把握することではなく、あらゆる場合において、サービスの料金がどの程度かかるのかを、契約前にすり合わせておくことです。
- いつ、どこで、どのくらいの時間、調査をするのか
- 調査対象者の尾行に失敗した場合はどうなるのか
- 調査結果の報告書作成にお金はかかるのか
- 即日で調査を依頼する場合には、追加料金がかかるのか
などなど、事前のすり合わせを行いましょう。
自社のホームページを運営している探偵業者も多いですが、そこに記載してある情報を安易に信用してはいけません。そこに記載してある情報が更新されてない場合も多々あります。
契約前には、必ず確認しましょう!
当サイトが紹介する探偵は、少なくともこれらを理解して依頼者とすり合わせをするので、安心していただけると思います。