要約
- 過去に行政処分を受けた探偵は、情報が公開されるので、依頼する探偵がその中に該当しないか確認しましょう。
- 各都道府県の警察に問い合わせれば、探偵業届出証明書の番号が、実際に登録されているかどうかを調べられます。
- 番号から届出の有無を問い合わせることは出来ますが、探偵の屋号から届出の有無を問い合わせることは出来ません。
はじめに
あなたは、探偵業界の歴史をご存知ですか?
探偵業界の歴史って、意外と浅いんです。2023年では、日本の探偵は、6,355社存在しますが、2007年だと、3,414社しか存在しなかったんです。半分強ですね。
歴史が浅い分、探偵業のルールが整備されたのも、2007年で、そんなに昔じゃないんです。したがって、日本にはまだまだ悪徳な探偵がいる可能性があります。
そこで、この記事では、最低限、探偵として、真っ当に営業しているのかどうかをチェックするポイントを紹介します。
行政処分を受けていないか
あなたは知っていましたか?
ルールを破った探偵は、情報が公開されるんです。
順を追って説明しましよう。まず、探偵業界には、探偵業の業務の適正化に関する法律が存在します。略して、探偵業法と呼ばれたりします。
探偵業法に違反して、行政処分を受けた探偵は、各都道府県警察のホームページに、情報が公開されます。当たり前ですが、ルールを守らずに探偵業務を営んでいる業者は、確実に避けるべきです。
探偵に依頼する場合、事前に都道府県警察の、行政処分の公表ページを確認しましょう。
公表期間は、行政処分が行われた日から3年間です。公表の基準としては、営業停止命令、営業廃止命令を受けた探偵などが公表されます。名前や住所も公開されるので、ブラックリストに入れておきたいですね。
下記に、関東の行政処分の公表ページへのリンクを記載します。
探偵業の届出を提出しているか
探偵業を営むには、届出を出さなければいけません。探偵業法の第四条を見てみましょう。
第四条 探偵業を営もうとする者は、内閣府令で定めるところにより、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)に、次に掲げる事項を記載した届出書を提出しなければならない。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=418AC1000000060_20220617_504AC0000000068
東京都で探偵業を始める人は、東京都の公安委員会に、大阪府で探偵業を始める人は、大阪府の公安委員会に、届出を提出する必要があります。
届出を提出した後は、公安委員会から、届出を提出したことを証明する書面、探偵業届出証明書を受け取ります。この探偵業届出証明書に関しても、ルールがあります。
探偵業法の第二条第二項にあるように、営業所に掲示しなきゃいけないんですね。
第十二条 第二項 探偵業者は、第四条第三項の書面を営業所の見やすい場所に掲示しなければならない。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=418AC1000000060_20220617_504AC0000000068
あなたが探偵に調査を依頼する前に、違法に営業している探偵じゃないかを見極めるために、この探偵業届出証明書を確認しましょう。
ホームページや営業所に、探偵業届出証明書を掲載している探偵は存在しますが、用心深い人は、こう考えるかもしれません。
これって本当の証明書なの?
紙だから偽造できるんじゃないの?
そんな方に朗報です。探偵業届出証明書の番号が、本当に登録されていかどうかは、警察に問い合わせて確認することが出来ます。
ここで注意したいことは、警察が回答してくれるのは、番号が登録されているかどうかだけ、ということです。
例えば、あなたが「X探偵社」に調査を依頼したいとします。しかし、「X探偵社」のホームページを見ても、探偵業届出証明書の番号が記載されてません。そこであなたは、警察にこのように問い合わせたとします。
「○○探偵社って、探偵業の届出をちゃんと出してますか?」
警察からの回答は、このようになります。
「お答えできません」
これは、私が実際に警察に確認した事実です。警察は、番号が登録されているかは回答してくれますが、「○○探偵社」が登録されてるかどうかは回答できません。
理由としては、同名の探偵が存在したり、アルファベット表記の微妙な違いがあるので、正確に判断できないからだそうです。
つまり、ホームページや営業所に探偵業届出証明書を掲載しておらず、番号が不明な場合、その探偵が公安委員会に届出を提出したかどうかは、調べることが出来ないということです。
これらの理由から、ホームページや営業所に探偵業届出証明書を掲載していない探偵は、個人的にはおすすめできません。あなたも、探偵に調査を依頼する前に、しっかり確認するようにしましょう。