要約
- 東京の探偵に浮気調査を依頼する際、「最小必要料金」の相場は、62,000円。
- 最小必要料金とは、探偵に浮気調査を依頼した場合に、調査員2人で調査する際に必要な、最小の料金。
- 探偵業界には複数の料金体系があり、単純に比較することは難しいので、「最小必要料金」で相場を表現している。
- 最も高い最小必要料金は、159,600円。
- 調査員1名1時間あたりの料金の相場は、7,500円。
はじめに
探偵や興信所に浮気調査を依頼する際、まず気になることは、費用の相場です。多くの人が次のような検索ワードで費用の相場を調べます。
「浮気 調査 費用」
「興信所 費用」
「探偵 料金」
「探偵 費用」
検索結果から上位5件のページを開くと、下記の結論を得られます。
- 探偵に浮気調査を依頼する際、費用の相場はピンキリ
- 2005年3月に実施された、一般社団法人東京都調査業協会のアンケート結果によると、調査員2名の場合だと、1時間当り15,000円~20,000円前後
私たちが検索で使用しているGoogleには、コンテンツ作成において、下記のようなガイドラインを設けています。
Google の自動ランキング システムは、検索エンジンでのランキングを上げることではなく、ユーザーにメリットをもたらすことを主な目的として作成された、有用で信頼できる情報を検索結果の上位に掲載できるように設計されています。
https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/creating-helpful-content?hl=ja
さて、私は浮気調査の相場を調べて、上記2点の結論を得られたあなたに問いたいです。これらの結論は、「有用で信頼できる情報」なのでしょうか?
私はそうは思いません。
まず、一つ目の結論については、比較、検討を諦めているように感じます。たしかに、下のセクションで述べるように、探偵業界の料金プランは複数あり、それぞれを比較することは難しいです。
しかし、地道に探偵のホームページを開き、調査料金を比較すれば、できないことではありません。
二つ目の結論については、言うまでもなく、情報のソースが古いです。2005年に実施されたアンケートなので、2023年現在では信頼できる情報とは言い難いです。
ChatGPTに聞いてみた
何かを調べる際は、とりあえずAIに聞いてみましょう。ChatGPTに下記のような質問を投げてみました。
日本において探偵に浮気調査を依頼する際の料金の相場を教えてください。
すると、下記のような回答が返ってきました。
一般的に、日本の探偵事務所における浮気調査の料金は、数万円から数十万円になることがあります。
やはり、探偵の調査料金は、さまざまな要因によって変動するという回答でした。数万円から数十万円という表現で、具体的な相場は記載されてまいませんでした。
相場の調べ方
今回は、特定の範囲に限定して浮気調査の費用の相場を調べたかったので、Google Mapsをツールとして利用しました。
探偵業を営む際には、届出を出して営業所を登録する必要があるので、実店舗が存在します。Google Mapsにも探偵の営業所は登録されています。よって、次のような検索ワードで探偵を探している方が多いです。
「都道府県名 探偵」
「市区町村名 探偵」
具体的な調べ方ですが、Google Mapsで東京駅を中心に半径10kmを範囲として、「東京 探偵」で検索をして、ヒットした探偵のホームページを全てチェックして、料金を確認しました。
ちなみに、今回の検証では、スマートフォンやパソコンのGoogle Mapsアプリを利用していません。中心から半径10km内の探偵に絞り込みたかったので、Google Maps PlatformのPlaces APIというプロダクトを利用しています。
Places API
https://developers.google.com/maps/documentation/places/web-service/overview?hl=ja
調査の結果
前提
Google Mapsで検索した結果、ヒットした件数は60件でした。
各探偵の調査料金を比較するためには、Google Mapsに登録されているwebサイトを開いて、料金が記載されているページを探す必要がります。しかし、ヒットした60件のうち、2件はwebサイトが登録されていませんでした。
また、5件は営業所が異なりますが、同じ探偵の営業所だったため、1つの探偵としてカウントしています。3件の探偵は、webサイトは存在したものの、料金に関する記載がありませんでした。
そのため、実際に浮気調査の料金を確認できた探偵は、50社となります。
今回、探偵に浮気調査を依頼する際に必要な費用の相場を計算するために、「最小必要料金」という用語を使います。最小必要料金とは、探偵に浮気調査を依頼した場合に、調査員2人で調査する際に必要な、最小の料金のことです。
「最小必要料金」という用語が必要な理由については、以降のセクションで解説しています。
結果
調査の結果、東京に営業所が存在する50の探偵の「最小必要料金」の平均は、62,000円でした。そして、最も高い最小必要料金は、159,600円でした。
今回、相場を計算する際の指標として、平均値を使用しました。平均値は外れ値の影響を受けやすい性質があります。今回の調査では、料金が高い外れ値が3社ほどありました。
したがって、外れ値を除いた相場としては、50,000~60,000円と考えられます。
東京で探偵に浮気調査を依頼する場合、最小必要料金の相場は、50,000~60,000円という結論が得られました。東京で探偵を探している方には、こちらの相場を参考にしてみてください。
もしあなたが探偵に相談して、調査料金について聞く場合は、次のように尋ねることをお勧めします。
最低調査時間や経費を含めて、1回の調査で最低どのくらいの料金がかかりますか?
単純に、「調査料金はいくらですか?」と質問すると、探偵によっては、調査の最低保証時間や経費のことを説明されないかもしれません。
下記の記事でも書いていますが、探偵に調査を依頼する際に、料金の観点で重要なことは、あらゆる場合において、料金がどのくらいかかるのかを、契約前にすり合わせておくことです。
最小必要料金が、50,000~60,000円を下回れば、相場より安めで、50,000~60,000円を上回れば、相場より高いと判断できます。100,000円より高い場合は、かなり調査料金が高いと判断できます。
次に、調査員1名1時間あたりの料金の相場の平均は、7,500円でした。この時間あたりの料金は、料金体系に基本料金や経費が含まれているかどうかによってトータルの料金が変わるので、一概に料金の安さを判断できませんが、一つの参考にはなるかもしれません。
なぜ相場を比較することが難しいのか
以下のセクションでは、探偵業界の料金体系について、詳しく説明します。料金体系を理解することで、探偵選びの助けになるかもしれません。
浮気調査の費用を比較する際に問題となるのが、料金体系の違いです。探偵業界には、複数の料金体系が存在します。A社とB社が異なる料金体系だった場合、単純に比較することが難しくなります。
探偵業界の料金体系
以下のセクションでは、探偵業界の料金体系を分類して、それぞれ説明していきます。
n人t時間
探偵業界の料金体系は、このパターンが8割です。料金プランとしては、時間制プランと記載されることが多いです。この料金体系が意味しているのは、調査員n人がt時間稼働した場合の料金です。例として、下記のような記載が挙げられます。
調査員1名1時間あたり7,000円
調査員2名3時間あたり60,000円
上記の2社を比較する場合は、B社を調査員1名1時間あたりに変換すれば、
調査員2名3時間あたり60,000円 = 調査員1名3時間あたり30,000円 × 2 = 調査員1名1時間あた10,000円 × 2 × 3
となり、A社は7,000円、B社は10,000円と比較することができます。
基本料金
上のセクションの、「n人t時間」の料金体系だけであれば、調査員の人数と時間を揃えれば、簡単に料金を比較することができます。しかし、「基本料金」という料金体系が存在することで、複雑性が増します。例として、下記のような記載が挙げられます。
基本料金 | 40,000円 |
時間料金 | 調査員1名1時間あたり5,000円 |
パッと見ると、時間料金が調査員1名1時間あたり5,000円なので、安く感じます。しかし、実際には時間料金とは別に基本料金が追加されます。したがって、仮に調査を、調査員2人で3時間行った場合、下記のような計算となり、料金は70,000円となります。
2 × 3 × 5,000 + 40,000 = 70,000
最低t時間
仮に、あなたが探偵を探していて、下記のような文言を見つけたとしましょう。
調査員1名1時間あたり7,000円(最低4時間)
あなたは、2時間で終わる浮気調査を依頼したいとします。「n人t時間」の料金体系なので、2 × 7,000 = 14,000円で済むかと思うかもしれません。しかし、「最低t時間」の記載があると、そうはいきません。「最低t時間」とは、1回の調査で最低t時間分の料金がかかりますという意味です。したがって、上記の料金体系の場合、2時間で終わる調査でも、4 × 7,000 = 28,000円が料金としてかかります。今回の調査で私が調べた範囲だと、60ある業者のうち、「n人t時間」の料金体系が記載されていた業者が35社で、「最低t時間」の記載があった業者が28社でした。つまり、80%の業社が「最低t時間」の料金体系になっているということです。
探偵に調査料金を聞く際は必ず、「最低t時間」の条件があるかどうかを確認しましょう。
経費
探偵が調査をする際、さまざまな費用がかかる場合があります。
費用の名前 | 例 |
---|---|
交通費 | 高速道路の料金、電車の切符代 |
燃料費 | 車のガソリン代 |
宿泊費 | 2泊3日の調査で調査員が宿泊するホテルの宿代 |
機材費 | 調査員が使用する撮影機材の費用 |
調査報告費 | 調査結果をまとめた書類やデータを作成する費用 |
これらの経費が、「n人t時間」「基本料金」の料金体系に含まれる場合と、そうでない場合があります。したがって、探偵に調査料金を聞く際は必ず、基本の料金体系に経費が含まれるかどうかを確認しましょう。
x円から
一部の探偵は、こちらの料金体系を採用しています。例として下記のような記載があります。
100,000円〜
この上なくシンプルな表記です。この料金体系の場合、経費は含まれていることが多いです。ある一定の調査時間まではx円しかかかりませんが、それを超過すると延長料金がかかることが多いです。
このように、現在の探偵業界では、料金体系が複数存在します。それゆえに、全ての探偵の料金を、「n人t時間」の料金体系に標準化して比較することが難しいのです。
探偵を選ぶ際には、その探偵がどんな料金体系なのかを把握して、調査を依頼しましょう。
- 「n人t時間」の料金体系かどうか
- 「基本料金」がかかるかどうか
- 「最低t時間」の条件があるかどうか
- 「経費」が料金体系に含まれるかどうか
- 「x円から」の料金体系かどうか
最小必要料金
探偵間の料金を比較するために、「最小必要料金」という新たな用語を使います。最小必要料金とは、探偵に浮気調査を依頼した場合に、調査員2人で調査する際に必要な、最小の料金のことです。一般的に探偵業界では、調査員1人で調査をすることは少ないです。尾行、張り込み失敗のリスクを考慮して、複数人で調査します。したがって、調査員2人で計算しています。
例えば、「n人t時間」「基本料金」の料金体系の場合、「最小必要料金」は下記のように計算します。
基本料金 | 40,000円 |
時間料金 | 調査員1名1時間あたり5,000円 |
40,000 + 5,000 × 2 = 50,000
一方で、「n人t時間」「最低t時間」の料金体系の場合、「最小必要料金」は下記のように計算します。
調査員1名1時間あたり7,000円(最低4時間)
7,000 × 2 × 4 = 56,000
経費が料金体系に含まれている場合は、最小必要料金は変わりません。しかし、経費が料金体系に含まれていない場合は、平均的な経費の金額として、5,000円を最小必要料金に加算して計算しています。